新潟信号通信設備技術センター

防鼠シート

安全性向上
防災
応急処置
作業効率化
『合成カプサイシン』の力でネズミ被害にサヨナラ!
問い合わせ先

株式会社保安サプライ
パートナー会社

  • 積水樹脂株式会社
  • 株式会社保安サプライ
特許等の番号発明等の名称権利者リンク
特開2025-008166防鼠シート
東日本旅客鉄道株式会社
株式会社保安サプライ
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概要

3つのポイント

Point1 マイクロカプセル化した合成カプサイシンを含侵することにより、忌避効果を発揮するシートです。

Point2 ネズミなどによる嚙みつき被害(咬害)を防止します。

Point3 やわらかいので、すき間に詰め込むことができます。

効果

試験イメージ

対照品の(無処理不織布)のゲージでは、すべてのラットが、筒の中の対照品を引っ張り出して突破し、エサを摂取しました。(左図)

試験品(防鼠シート)のケージでは、すべてのラットが6日の間、試験品入りの筒を突破できず、明確な咬害痕も見られませんでした。(右図)

この試験は、 ラットがケーブル配管内に侵入するのを防ぐための通過阻止剤の効果を評価するために行われました。

上記の結果から、 試験品(防鼠シート)は高い防鼠効果があると考えられるとの結果が得られました。

開発品誕生まで

『合成カプサイシン』の力でネズミ被害にサヨナラ!

信号機器室や器具箱へのケーブル立ち上がり部では、隙間から侵入した鼠がケーブルを咬み、機器故障が発生する事例があります。
現在は、防鼠ブラシやウレタンフォームで隙間を塞ぐ物理的対策を行っています。しかし、経年劣化により、防鼠ブラシの抜け落ちやウレタンフォームの劣化(加水分解など)が生じ、再び侵入経路ができてしまうという課題がありました。
そこで今回、施工が容易で、直轄施工でも扱いやすい防鼠用充填材を開発しました。

導入事例

2026年1月31日時点
鉄道事業者各社
信号機器室や器具箱のケーブル立ち上がり部では、隙間から侵入したネズミによる咬害が発生し、設備故障の原因となることがあります。本製品は、合成カプサイシンを含侵した不織布シートを隙間に充填することで、ネズミによる咬みつき被害を抑制する防鼠対策製品です。柔軟性があり施工性にも優れ、現場での簡易な対策として活用できます。

製品仕様

  • 価格
    23,800円(税別)
  • 材質
    不織布(黒色)
  • サイズ
    約300㎜✖200㎜(200枚/1ロール)
  • 用途
    ケーブルカバー・動物侵入防止シート・機械カバー・保護シートなど
  • ※注意事項
    忌避成分であるカブサイシンは毒劇物ではありませんが、 食品に直接触れる用途には使用しないでください。 シートを加熱した際にカプサイシン成分が揮発して刺激を受ける可能性があります。動物の種類や個体差により効果に差があります。製品を使用する際は手袋及び保護メガネを着用してください。製品が目に入ると強いピリピリ感を引き起こす恐れがあります。使用後は必ず手をしっかりと水と石鹼で洗ってください。残留物が皮膚に付着することでピリピリとした刺激が生じる可能性があります。

特別コラム:開発者の想い咬ませて、防ぐ!! ― 現場課題から生まれた新しい防鼠対策の開発―

■ 信号ケーブルを脅かす“小さな侵入者”

鼠害写真(GENICHI用).jpg信号機器室や器具箱に引き込まれるケーブルは、安全・安定輸送を支える鉄道設備の中でも極めて重要な存在である。

しかし現場では、わずかな隙間から侵入した鼠がケーブルを噛み切り、信号伝送に支障をきたす事例が継続的に発生してきた。

ケーブル損傷は即座に障害へとつながり、輸送の安定性を脅かす重大リスクとなる。

従来の防鼠対策としては、パテ・防鼠ブラシ・ウレタンフォーム・モルタルが用いられてきたが、それぞれに明確な弱点があった。

パテは土砂付着で再利用不可、防鼠ブラシはケーブルの動きでブラシが脱落しやすく、

ウレタンフォームは経年で加水分解、モルタルはケーブル交換のたびに破砕・再施工が必要で手間がかかる。
これらの課題を踏まえ、「確実に塞げる」「施工が容易」「長期間使える」「再利用できる」という新たな製品開発に着手した。

■ 開発の鍵となった“スパンボンド不織布”

素材として選ばれたのは、ポリエステル製スパンボンド不織布である。不織布は繊維を熱や化学反応で絡ませてシート化したもので、厚みや密度を自由に調整でき、複数素材の組み合わせも容易だ。

スパンボンドは樹脂を溶融・押出してネット状に積層し、熱圧着でシート化する製法で、強度と柔軟性を兼ね備えている。

この特性により、大小さまざまな隙間にも自由に成形して詰め込め、かつ繰り返し使える理想的な防鼠材となった。

■ “噛ませて防ぐ”ための忌避性付与

今回の製品開発では物理的な防御に加え、鼠が近寄らないよう忌避性も付与した。採用した成分は、唐辛子由来の刺激物質であるN-ノナノイルバニリルアミド(カプサイシン)

これをマイクロカプセル化し、不織布に含浸させた。鼠は遮蔽物を噛んで引き抜こうとする習性があるが、一度噛むと強烈な刺激により二度と近寄らなくなる。

実験棟での配管試験では、未対策シートが突破される一方、開発品は噛みつく行動すら見られず、全試験で突破を完全に防止した。

■ 現場で証明された“施工性・耐久性・忌避性”

開発品は現場での運用性にも優れている。
まず施工性では、手で形状を自在に変えられるため微小な隙間にも対応でき、軽量で持ち運びも容易(車に常置可能)なため、気づいた際にすぐ施工できる。

耐久性の面では、パテやモルタルのように一度使うと廃棄せざるを得ないものと異なり、取り外し・再成形して再利用できる。これはケーブル取替時の作業性向上に大きく寄与する。

忌避性については実験での結果どおり、どんな対策を施しても鼠が侵入していた機器室においても、フィールド試験でも5か月間にわたり侵入痕跡は皆無であった。

■ 安全・安定輸送へ向けた確かな一歩

現在も鼠害による輸送障害は国内で毎年発生している。今回開発した防鼠材が現場に普及すれば、鼠害による障害を大幅に減少させ、安全・安定輸送をより確かなものにできるだろう。